『このあたりの人たち』感想(川上弘美・文春文庫)|淡々と紡がれる物語に潜む、不思議で不気味な世界
繊細な人でも安心して読める?
安心ポイント★★★☆☆
- 語り手がいじめられるような展開はありません。
- 直接的に嫌な人物は登場しないです。
- 淡々と日常が描かれているため、気持ちのアップダウンは少なめ。
- ただし、物語の背後に不気味さが漂っており、気持ちがざわつくこともああります。
このあたちの人たち あらすじ
あるところに暮らす人々の、何気ない日常を描いた短編集です。
一見すると、ごく普通の日常のようですが、そこにはどこか不思議で、少し奇妙な出来事が紛れ込んでいます。
登場人物たちの生活や会話が淡々と描かれる一方で、日常のすぐそばには、説明しきれない不思議さや不気味さが漂っています。
短い物語が次々と展開され、独特の世界観を楽しめる作品です。
読んで感じたこと
とにかく、淡々と日常が描かれている作品です。
大きな事件が起こるわけでもなく(私なら大きな事件だと思うのですが)、登場人物たちの生活が静かに綴られていきます。
しかし、その穏やかな日常の背後には、常に不気味さが潜んでいます。
何かが起こりそうな気配や、どこか奇妙な雰囲気があり、穏やかな物語なのに、なぜか気持ちがざわざわすることもありました。
短い話が多いので、ひとつひとつの物語を気軽に読めるのは魅力です。長い物語を読む気力がないときや、少しずつ読書を楽しみたい人にも向いていると思います。
この作品で一番心に残ったこと
何気ない日常の中に、当たり前のように不思議なことが存在しているところです。
特別な説明があるわけではなく、読者もその不思議さを抱えたまま、物語を読み進めていきます。
最初は違和感ばかりでしたが、そのうち世界観に慣れていき、たいていの状況は受け入れられるようになっていました。
こんな人におすすめ
- 不思議な雰囲気の小説が好きな人
- 日常の中に奇妙な出来事が入り込む物語を読みたい人
- 短い話を少しずつ楽しみたい人
- はっきりとした結末よりも、独特の余韻を味わいたい人
読後の感想・まとめ
『このあたりの人たち』は、淡々とした日常の中に不思議さや不気味さが漂う短編集です。
気持ちを大きく揺さぶられるような展開は少ないものの、読んでいる間、どこか落ち着かない気持ちになることもありました。
短い物語が中心なので、気軽に読み進められる一方、不気味な雰囲気が苦手な人には少し注意が必要かもしれません。



